海外生活経験者の方はよくわかると思いますが、海外で生活をしているのに英語が話せない日本人の方がたくさんいます。
「1年間ワーホリ行って帰ってきたけど英語がほとんど話せない」なんてのもよくある話です。
私自身、これまで2カ国の海外に5年ほど在住していますが、英語圏で生活している方でさえ英語を話せない日本人は非常に多いです。
「え、海外に住んでるのに英語ペラペラじゃないの?」
と思う日本のアナタへ、私は声を大にして言いたい…
語学の習得はそんなに簡単なもんじゃないんだ!
と。(T T)
海外に住むだけで英語がペラペラになるくらい簡単なら、今頃世界中の洋画好きは全員、英語リスニング完璧です。
この記事では、TOEIC290点でカナダに行き、英語力を伸ばして仕事についた私の経験をもとに、日本人が英語を話せない理由と、その解決方法をまとめています。
すでに海外で生活されている方も、これから海外生活を始める方も、この記事を読めばなにか次の行動が見つかるはずです!
海外生活をしているのに英語が話せない日本人が圧倒的に多い3つの理由
海外で生活をしていても英語が話せない日本人には、シンプルに3つの特徴があります。
世界中から英語ビギナーが集まる海外の語学学校に通い、強く感じたこと…
それは、みんなが自覚しているようで自覚できていない日本人の性質です。
・喋る量が圧倒的に少ない
・積極性がない
・結果、日本人コミュニティに落ち着く
英語を話せるようになりたいと強く願う「モチベーション」は前提のお話ですが、きっとこの記事を読んでくださっている方々は英語を話せる様になりたいというモチベーションをすでにお持ちかと思いますので、ここでは触れません。
1.喋る量が圧倒的に少ない
海外の英語ビギナーと比べて喋る量が圧倒的に少ないのには2パターンあります。
【パターン1】 英語になると黙ってしまう
【パターン2】もともと、日本語でも口数が少ない
【パターン1】 英語になると黙ってしまう
おそらく、ほとんどの方が「【1】英語になると黙ってしまう」の方です。
母国語禁止の語学学校で出会った日本人で、学校にいる間はスーパー大人しい人だが、一歩日本語を話せる環境に行くと普通にめちゃくちゃ喋る人じゃん!というケースは少なくありません。
この場合「伝えたいこと、言いたいことはたくさんあるのに言葉にならない」という状態です。
中学英語くらいは頭に入っているのに喋れないなら、原因はこれです。
間違えるのがこわい
カナダで語学学校に通った時、同じクラスに日本人、サウジアラビア人、韓国人、台湾人、ブラジル人、メキシコ人などがいましが、圧倒的に発言回数が少ないのが日本人。
サウジアラビア人との差が目に見えて対照的でした。
日本人=読み書きが得意、難しい単語や文法をたくさん知っているのに喋れない
サウジアラビア人=日本人と真逆。中一レベルの英語しかしらないけどベラベラ喋る
韓国や台湾はバランスの良い感じで、ブラジル、メキシコ人はそもそも英語と母国語が似ているのでアジア人に比べて短期間で英語が話せるようになる。というかんじでした。
つまり、日本人は宝の持ち腐れなのです。
間違えると恥ずかしいとか、恐いと感じる=何かしら自分の中にプライドがあるということです。英語に対してのプライドではないにしても「他人にバカって思われたらいやだな…」とか「変な人って思われたらいやだな」とか。
TOEICの点数がいいのに英語を話せない人は完全にこの状態ですので、「英会話」の時には、まずプライドをぐちゃぐちゃにしてから望めばぐんぐん上達するはずです。
他人からの目や評価を気にしていても英語を喋れるようにならないし、意外と世の中の人は英語を話せない人に優しいから安心してください。
後でそんなプライドは全く無意味だったということに気づきます。
赤ちゃんや小さい子が、ちょっと微笑ましいような間違いをしながら新しく覚えた言葉を使いますよね。英会話も、そうやって間違いを繰り返しながら日本語を習得していく赤ちゃんと同じです。
大人の場合はいらないことを気にして知識だけ大きくなるので、頭でっかちになるんですね…
英語を学問としてやっている人より「とにかく外人と絡みたいぜ!!」というバカキャラタイプの人の方が圧倒的に伸びる。それが語学なんです。
失うものはなにもない!!!!
くらいの意気込みで、間違えまくりましょう。
【パターン2】 もともと、日本語でも口数が少ない
もう一つは、「【2】もともと、日本語でも口数が少ない」タイプ。
もともと口数が少ないタイプは日本人だけでなく、世界中にいますので、日本人以外の英語ビギナーも同じ悩みを抱えていると思います。
そういう方は、口数が少ないのでアウトプットの量が少ない+消極的な日本人の性質の2つのデメリットを抱えてしまうことになるんです…
が、心配いりません!
ハンデがあるからこそ、人はそのハンデを克服するために頑張れるんです。
大切なのは、「もともと口数少ないし、英語喋れるようにならなくて当然だよ」と意地けたり殻に込もったりするのではなく、自分の欠点を受け止めて修正していくことです。
「言いたいことが無い」=「考えていることが無い」というわけではなく、 「わざわざ口に出してもしょうがないし」と決めつけて思いを言葉にしていないだけです。
英語を話す時はとにかく見たもの、聞いたもの、思うこと、感じることを全て口に出してみるようにしましょう。
英語を話すときに、日本語でいる自分と同じ人格である必要はありません。
「あの人、日本語だとあまり話さない人だけど、英語だとよく喋るよね」
という人になればいいのです。
2. 積極性がない
文化の違いから「中国人って図々しいな…」と感じる日本人は多いです。
ですが、英語の上達にはこの「図々しさ」が必要不可欠なのです。
私はこれまで20カ国以上の国を旅して、それ以上の国籍の人たちと友達になっていますが、外国人は日本人に比べて「遠慮」が少ないと感じます。
最近は自分も海外の基準に染まってしまっているので、久しぶりに日本に帰るといろいろな場面で「わぁ、日本人って遠慮がちだな、配慮があるな」と感じます。
日本人を客観的に見てすばらしいなと感じることも多いですが、これが英会話では裏目に出てしまうことがあるんです…。
例えば、これはワーキングホリデーでアルバイトを見つけるときよくある場面です。
お隣の韓国人ワーホリ生はバンバン現地のお店でネイティブと働ける環境の仕事をゲットしているのに、日本人は日本食レストランで日本人同士で働く仕事ばかり…
そもそもの英会話力が韓国人の方が高いので採用されやすいという理由もありますが、日本人は圧倒的に押しが弱いです。
カナダでワーホリ生が仕事を探すときに、自分のレジュメ(履歴書)をお店にバラまいて、自分を売り込んで面接の機会をゲットする方法が一般的です。
しかし日本人留学生のほとんどはこれをする根気と積極性がなく、日本人の友達の紹介や日本語サイトで募集がかかっている日本食レストランの仕事をゲットする人がほとんどでした。 (日本食レストランの方が給料がいいので、語学より給料優先にする人もいましたが)
私の場合は自分の足でレジュメをばら撒き、結果としていつもコーヒーを買っていた現地のカフェでオーナーに自分の押し売りをして(笑)仕事をとれたので、日本人のいない環境で仕事ができ、周りから「いいなぁ!」「ラッキーだね」と言われていました。
自慢をしたのではなく、それくらい「留学に行っても日本語環境で働く」ことが普通だということです。
カフェで働いている間も、数日に一人はレジュメを持ってくる求職者がいましたが、日本人でレジュメを持ってくる人はほとんどいませんでした。
ワーホリの仕事探しの場合は「積極性」が低いことが理由で自分を取り巻く職場環境、友達全てが変わるので、英語力に圧倒的な差がつきます。
ワーホリ以外の海外生活でも、積極的に外国人に話をすることはとても大切です。
「英語を間違えて相手に伝わらない、推しが強すぎて迷惑がられる」
という一時的なマイナスと
「ずっと英語が話せないという」一生のマイナスを天秤にかけたら、
絶対に後者の方がマイナスですよね。
英語を話す時くらい、人格が変わってもいいんじゃないでしょうか?
3.結果、日本人コミュニティに落ち着く
数十年間日本語で育ってきた私たちにとって、日本語はいわば「心のオアシス」です。
文化も違う、人も違うなかで流暢に話せない英語だけを使って海外生活するのは相当なストレスになります。南国の植物を日本に持ってきたら枯れてしまうのと同じです。
一方、海外で生活しながらも日本人コミュニティの中に入り込んで生活しているとかなり楽です。
海外にいる開放的な気分を味わいながら、日本語と日本人の人たちに守られているという最高な環境です。
海外生活をしているけど英語が話せない人は、例外なくこの「最高な環境」に落ち着いてしまっている人たちです。
具体的に「日本人コミュニティに入り込む」とは、友達関係、職場関係を全て日本人で固めており、日本人以外と関わることがほとんどない状態のことです。
いろいろな事情で望んで海外生活している方ばかりではないので、海外で生活をしていても英語を習得する気のない方にとっては最高な環境です。
しかし、海外生活をして英語を話せるようになりたいと思っている方にとっては「甘言蜜語(うまい話には裏がある)」ということです。
海外生活で英語を話せるようになる方法
海外生活をしているなら、またこれから海外生活をするのなら、その環境を英語の上達に活かさない手はないです。
どうやって「活かす」のかというと、シンプルにこの3つ。
- とにかくインプット&アウトプットを繰り返す
- 英語のことでアタマをいっぱいにする
- ドラマや映画でリアルな英語を分析する
これは、日本にいる方でも応用できる方法なので参考にしてみてください♪
とにかくインプット&アウトプット
・現地の人と知り合えるイベントなどに参加する、出会い系アプリもアリ。
・バーで話しかけるもよし、ナンパするもされるもよし
・ただ一つ、共通の趣味がある人が好ましい
海外にいるのなら、日本にいるよりも英語を話す人が多いと思います。
どんな手段を使ってもいいので、外国人と関わりを持って会話するようにしましょう。
現地の人と知り合える交流イベントに行くもよし、バーに行って隣の人に話しかけるもよし、ティンダーなどの出会い系アプリで知り合って、お茶するも良しです。
ただし!!!自分の身に危険にさらすことは絶対にしないでくださいね!!
特に女性の方は、海外で知り合いたての男性に殺されてしまったり強姦されてしまったりという事件もありますので、そこだけは細心の注意を払って、常に警戒心を忘れないでください。
逆にいうと、それ以外はなんでもアリです。
つたない英語の相手になってくれる相手が見つけて、とにかくおしゃべりしましょう。
おすすめは、日本の文化や国に興味のある人を相手におしゃべりすることです。
他にも好きなバンド、アニメなどの共通点があればOK。
乏しい英語力ではまだ「あたりさわりのない雑談」をするスキルも無いので、共通点がないと全く話が盛り上がりません。
共通の話題があれば相手が話に興味を持ってくれるので、ゆっくりな不充分な英語でも、耳を傾けてもらえることが多いです。
おしゃべりをすることで「喋る=アウトプット」だけでなく、知らない単語や表現を知ることができてインプットにもなります。
さらに、家で新しい単語、イディオムやスラングなどをインプットしておけば、実際に会話で使われている時に知識と現実が一致して頭に入りやすくなります。
また、もっとスムーズに話したい!伝えたい!理解したい!という気持ちは何よりも英語をスキルアップするモチベーションになります。
英語のことでアタマをいっぱいにする
・常に英語で考える
・常に英語のことを考える
普段歩きながら考えていること、家で考えること、街で感じることを、全て心の中で言葉にして、英語にしてみましょう。
すると、分からない単語が出てきたり、前置詞が曖昧だったり「〜したのに〜」はどう言ったらいいんだ?などなど、たくさん疑問が出てきます。
窓の外を見て、「なんか天気が悪くなってきたな…」と思ったらそれを英語に訳してみたらいいのです。
そうすれば、単語力、文章を構成する力=話すのに大切なスキルがUPします。
そして、常に英語のことを考えて分析し、自分を客観視するようにしましょう。
「文章の組み立て方がわからないから、文法をしよう」
「そもそも単語を知らないから、単語帳を買って覚えてみよう」
「発音が悪くて聞き取ってもらえないことが多いから、発音を矯正しよう」
「言いたいことは言えるようになってきたんだけど、全然相手の言ってることが聞き取れないからリスニングに力を入れよう」
などなど、やっていく中で出てくる課題をひとつひとつクリアしていけばいいのです。
ドラマや映画でリアルな英語を分析する
ドラマや映画をとにかく分析する。
ドラマや映画を見るのと、街やでネイティブの人の話をきく最大の違いはこれです。
ドラマや映画は何回でも繰り返し再生できる。
海外で生活していて、周りに英語を話す人がたくさんいるのは相当なメリットですしリスニング力を鍛える練習にもなりますが、聞き取れなかった時にそのまま流れてしまいます。
仮に自分と会話をしている人の英語が聞き取れなかったとしても、多くの英語ビギナーは「わかったフリ」をして聞き流してしまいます。これは日本人に限らずです。
ドラマや映画なら聞き取れなかった部分を一回一回ストップして聞き取れるまで繰り返せるので、英語耳を鍛える練習になります。
しかし、初心者の方が英語で映画やドラマを見てもわからない部分が多すぎて勉強にならないと思いますので、英語初心者が海外ドラマや映画でリスニングを鍛える方法は別の記事で紹介しています。ご参考ください^^
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まとめ
まとめますと、
「英語はなりふり構わず喋った者勝ち」です。
伝わらないことで恐怖感がでたり、間違うと恥ずかしいなと思う気持ちはわかります。
しかし、「英語を話すこと」はTOEICで900点をとる勉強と全く別物です。
恐怖感や恥じらいに負けていてはいつまで経ってもおしゃべりできないですし、何より海外生活の楽しみが減ってしまいます。
外に飛び出す準備がしたければ、オンライン英会話もおすすめです。
ぜひ、勇気を出して飛び出してみてください!